Windowsの「システムの復元」について、パソコン初心者向けに解説します。
- パソコンの設定を変えたら調子が悪くなった
- アプリを追加したらエラーが表示されてしまった
- Windows Update を実行したらパソコンの動作が遅くなった
こんなときは、システムの復元によって改善できる可能性があります。
この記事では、システムの復元の意味や使い方、注意点などを丁寧に紹介しています。
システムの復元とは?
システムの復元とは、パソコンの設定やシステム関連のファイルを、過去のある時点の状態に戻すことができる機能です。
例えば、アプリを入れてから動作が不安定になったとき、システムの復元によってインストール前の状態に戻すことができます。
システムの復元を実行しても、写真や文書などの個人ファイルは消えないので安心してください。あくまで「設定やシステム」だけが元に戻るので、大事なデータを失う心配は少なく、安全に使える機能です。
システムの復元には「復元ポイント」が必要
システムの復元を実行するには、復元ポイントというものが必要です。
復元ポイントは、パソコンの大事な設定やシステムの状態を保存しておく機能です。Windowsのシステムによって自動的に作成されるほか、必要に応じて手動で作成することもできます。
ただし、使っているパソコンによっては、復元ポイントの自動作成が無効になっている場合があります。
復元ポイントを自動的に作成するための設定方法や、手動で作成する手順については、下記ページで詳しく紹介しています。
「初期化」と「システムの復元」の違い
「初期化」は、パソコンを買ったときの状態に戻すもので、すべてのデータやアプリが消えてしまいます。
対して「システムの復元」は、ある時点の状態に戻す機能で、個人ファイルは残ります。
「さっきインストールしたアプリだけ、なかったことにしたい」といったときには、システムの復元が最適です。パソコンのちょっとした不調を直したいときに向いています。
システムの復元はいつ実行すべき?
システムの復元は、次のようなトラブルが発生したときに実行することで、改善が期待できます。
- Windows Update後の不具合
- アプリやドライバーのインストールによる不具合
- レジストリなど、システム設定の変更による不具合
- ウイルス対策ソフトやシステムツール導入後の不具合
逆に、次のようなトラブル発生時には、システムの復元による改善は期待できません。
- ウイルス感染
- 写真や文書ファイルなどの誤消去
- ハードディスクやメモリなどの物理的な故障
Windows11でシステムの復元を実行する手順
システムの復元は、Windowsの標準機能を使って簡単に実行できます。
ただし、システムの復元を行うには「管理者アカウント」でサインインしなければなりません。
家族など、複数人で同じパソコンを使っている場合は、自分のアカウントが管理者権限を持っているか確認してから進めてください。
ここからは、Windows11でシステムの復元を実行する手順を紹介します。
システムの復元中に、パソコンが自動的に再起動します。開いているファイルは保存して閉じておかないと、データが失われる可能性があるので注意してください。
スタートボタンをクリックして、検索窓に復元ポイントと入力します。

検索結果に表示される、復元ポイントの作成をクリックします。

「システムのプロパティ」というウィンドウが開いたら、システムの復元ボタンをクリックします。

「システムの復元」ボタンをクリックできない場合
もし、「システムの復元」ボタンがグレーアウトしている(薄い灰色になっていて操作できない)場合は、次の手順でシステムの保護を有効化してください。
- 「保護設定」のC:(システム)を選択して、構成ボタンをクリック
- 「設定の復元」のシステムの保護を有効にするにチェック
- 必要に応じてディスク領域の使用量を調整
- OKボタンをクリック


「システムの復元」ウィンドウが開きます。表示された内容を確認して、次へボタンをクリックします。

以下の手順で、システムの復元によって影響を受けるプログラムがないかどうかを調べます。
- 一覧から、システムの復元に利用する復元ポイントを選択する
- 影響を受けるプログラムの検出ボタンをクリックする

システムの復元によって影響を受けるプログラム等が一覧表示されます。
- 上段:削除されるプログラム等
- 下段:復元が見込まれるプログラム等(※正しく動作しなくなる可能性あり)
内容を確認して問題がなければ閉じるボタンをクリックして、次の手順に進んでください。

削除されると困るプログラム等がある場合は、別の復元ポイントを選択し直すか、システムの復元を中断してください。
システムの復元に利用したい復元ポイントが選択されていることを確認して、次へボタンをクリックします。

表示内容を確認して、問題がなければ完了ボタンをクリックします。

「いったんシステムの復元を開始したら、中断することはできません。続行しますか?」というメッセージが表示されます。 はいをクリックします。

システムの復元が開始され、しばらく待つとパソコンが自動的に再起動します。
再起動後、「システムの復元は正常に完了しました」というメッセージが表示されたら、閉じるをクリックします。
以上で、システムの復元操作は完了です。
システムを復元するときの注意点とリスク
システムの復元はとても便利な機能ですが、使うときにはいくつかの注意点があります。
まず、作業を始める前に、開いているファイルはすべて保存しておきましょう。作業中にパソコンが再起動するため、未保存のデータは失われる可能性があります。
また、復元中は絶対にパソコンの電源を切らないことも大切です。途中で強制終了してしまうと、復元が失敗したり、システムに悪影響が出たりするおそれがあります。
さらに注意したいのは、復元ポイントが存在しないケースです。この場合はシステムの復元を実行できないので、日ごろから復元ポイントの自動作成を有効にしておくことをおすすめします。
まとめ
システムの復元とは、パソコンの設定やシステム関連のファイルを、過去のある時点の状態に戻せる機能です。パソコンの初期化のように、写真や文書などの個人ファイルが消えることはありません。
システムの復元は、次のような場合に改善が期待できます。
- Windows Update後の不具合
- アプリやドライバーのインストールによる不具合
- レジストリなど、システム設定の変更による不具合
- ウイルス対策ソフトやシステムツール導入後の不具合
システムの復元を実行するときは、次の点に注意してください。
- 復元前、開いているファイルをすべて保存しておく
- 復元中、絶対にパソコンの電源を切らない
- 万が一に備えるため、復元ポイントの自動作成を有効にしておく
復元ポイントの作成方法は、下記ページで詳しく紹介しています。