Windows10で複数のデータをコピー&貼り付けするときは、「クリップボード履歴」が便利です。クリップボード履歴を使うと、コピー元と貼り付け先を何度も行ったり来たりする必要がなくなります。

クリップボードとは

クリップボードは、文字列や画像などのデータを一時的に保存しておく場所のことです。

通常、複数のデータを複製(移動)する場合は、「コピー(切り取り)&貼り付け」の操作を繰り返す必要があります。このとき、コピー元と貼り付け先の間を行ったり来たりしなければならず、とても面倒です。

そこで便利なのが、Windows10の標準機能「クリップボードの履歴」です。

「クリップボードの履歴」を使えば、コピー元のアプリでまとめてデータをコピーしておき、貼り付け先のアプリでまとめて貼り付けることができます。

クリップボード履歴の使い方

コピー&貼り付けの操作を簡単・便利にしてくれる「クリップボードの履歴」の使い方を、詳しく説明します。

クリップボードの履歴を表示する

クリップボードの履歴を表示するには、キーボードの[Windows ロゴ]+[V]キーを押します。

クリップボード履歴の表示方法
クリップボード履歴を表示するショートカットキー

初めてクリップボード履歴を使う場合は、「履歴を表示できません」と表示されるかもしれません。[有効にする]をクリックします。

クリップボード履歴の[有効にする]をクリック
もし上の画面が表示されない場合は、クリップボードの履歴が表示されないをご覧ください。

有効にした後にデータをコピーすると、下のような「クリップボードの履歴」が表示され、過去にコピーしたデータの一覧を見ることができます。

クリップボード履歴の表示例
クリップボード履歴の表示例
クリップボードの履歴には、最大25項目まで表示されます。上限を超えると、古い項目から自動的に削除されます(ピン留めした項目を除く)。

項目を貼り付ける

クリップボード履歴項目の貼り付け手順
  1. 貼り付け先の指定
  2. クリップボード履歴の表示
  3. 貼り付け項目の選択

1.貼り付け先の指定
クリップボードの履歴に表示される項目を貼り付けるには、まず貼り付け先となる場所をクリックして指定しておきます。

2.クリップボード履歴の表示
こちらで説明した方法([Windows ロゴ]+[V]キーを押す)で、クリップボードの履歴を表示します。

3.貼り付け項目の選択
クリップボードの履歴の中から貼り付けたい項目をクリックすると、1.で指定した場所に貼り付けることができます。

項目の選択は、キーボードの[][]で選んで[Enter]キーを押すことでも操作できます。

履歴を削除する

クリップボードの履歴は、パソコンのシャットダウンや再起動によって、自動的に削除されます(ピン留めした項目を除く)。

パソコンの起動中にクリップボードの履歴を削除するには、まず削除したい項目の右上[・・・]をクリックします。

クリップボード履歴の[・・・]をクリック

個別に削除する場合
項目を個別に削除するには、[削除]をクリックします。

クリップボード履歴項目の[削除]をクリック
項目をキーボードの[][]で選択した状態で、[Delete]キーを押しても削除できます。

すべて削除する場合
項目をすべて削除するには、[すべてクリア]をクリックします。

クリップボード履歴項目の[すべてクリア]をクリック
[すべてクリア]をクリックしても、ピン留めした項目は削除されません。

常に使う項目をピン留めする

何度も貼り付ける項目は、「ピン留め」すると便利です。

ピン留めをすることによって、その項目には以下の機能がはたらきます。

  • 「すべてクリア」の操作をしても、履歴から削除されない
  • シャットダウンや再起動をしても、履歴から削除されない
複数の項目をピン留めすることができます。

ピン留めするには、項目の右上[・・・]をクリックし、[ピン留めする]をクリックします。

クリップボード履歴項目の[ピン留め]をクリック

複数のパソコンで同期させる

クリップボードの履歴は、複数のデバイス(端末)で同期させることができます。

例えば、パソコンAでコピーしたデータを、パソコンBのクリップボード履歴に表示させることができます。このとき、2台のパソコンともに同じマイクロソフトアカウントでログインする必要があります。

複数のパソコンで同期させる手順
  1. [設定]アプリを開く
  2. [システム]をクリック
  3. [クリップボード]をクリック
  4. 他デバイスとの同期[開始する]をクリック

1.[設定]アプリを開く
[Windows ロゴ]+[I]キーを押すと、設定アプリが開きます。

[設定]アプリを開くショートカットキー
[設定]アプリを開くショートカットキー

2.[システム]をクリック
[システム]をクリックします。

設定アプリの[システム]をクリック

3.[クリップボード]をクリック
[クリップボード]をクリックします。

システム画面の[クリップボード]をクリック

4.他デバイスとの同期[開始する]をクリック
他デバイスとの同期の[開始する]をクリックします。

他デバイスとの同期の[開始する]をクリック

よくある質問

クリップボードの履歴が表示されない

クリップボード履歴の機能が有効になっていない状態で[Windows ロゴ]+[V]キーを押すと、通常、下のように表示されます。

クリップボード「履歴を表示できません」画面

もし表示が出ない場合は、[設定]アプリからクリップボード履歴機能を有効にすることができます。

[設定]アプリでクリップボード履歴を有効にする手順
  1. [設定]アプリを開く
  2. [システム]をクリック
  3. [クリップボード]をクリック
  4. クリップボードの履歴を「オン」に変更

1.[設定]アプリを開く
[Windows ロゴ]+[I]キーを押すと、設定アプリが開きます。

[設定]アプリを開くショートカットキー
[設定]アプリを開くショートカットキー

2.[システム]をクリック
[システム]をクリックします。

設定アプリの[システム]をクリック

3.[クリップボード]をクリック
[クリップボード]をクリックします。

システム画面の[クリップボード]をクリック

4.クリップボードの履歴を「オン」に変更
クリップボードの履歴を「オン」に変更します。

クリップボードの履歴を[オン]に変更

コピーした画像がクリップボードの履歴に表示されない

画像の種類やデータ量によっては、クリップボードの履歴に表示されない場合があります。

クリップボードの履歴に表示される画像データ
  • 種類:ビットマップ(BMP、GIF、JPEG、PNGなど)
  • サイズ:項目ごとに4MBまで

参考:クリップボードの概要|Microsoftサポート

まとめ

Windows10では、クリップボードの履歴機能が標準で利用できます。複数の文字列や画像をコピー&貼り付けするときに便利です。

クリップボード履歴に保存される項目は、パソコンをシャットダウン・再起動すると自動的に削除されます。しかし、よく使う項目をピン留めすることで、自動削除を防ぐことができます。

また、クリップボード履歴は複数のデバイスで同期することが可能です。その際、それぞれのデバイスに同じマイクロソフトアカウントでログインすることと、同期開始の設定をすることが必要です。